真珠専門店として親の代からお仕事をしてきました。
あこや貝から作られるあこや真珠は日本独自の真珠です。
しかし最近その真珠がおかしなことになっています。
無責任なランク付けによりお客様は何を基準に真珠を買えばよいのかわからなくなったと聞きますが、そのたび心が痛みます。
そこで、これから時々専門的な情報をお伝えして真珠に対する信頼が無くならぬよう努力します。
さて、第一話。
昔々、人類は狩猟や採取によって食料を確保していました。
ある人が貝を食べようとして中身を取り出すとそこに固い物体が。
その中でも綺麗な光沢のある物を宝石として身に着けたりお守りにしたり。
これが真珠が宝石になったはじめです。
他の宝石は地面から掘り出してもカットしたり磨いたり随分高度な加工技術を要しますのでこれらが宝石になるのはずっと後の時代の事。
写真左側は福井県の鳥浜貝塚から出土した現存する最古のパールです。でも貝塚から出てくるなんて、これはどんな扱いだったのでしょう?
最大直径15.6mmと巨大で、現在福井県立若狭歴史民俗資料館が保管していますが、通常は展示されず見ることはできません。
貝の中から光るものが出てきてそれは時間がたっても腐敗しない、もしそんなものを見つけたらその人はきっと大喜びしたに違いありません。
偶然見つけた光る珠はその後神への捧げものに使われたり魔除けにされたり王の権威を示す道具とされたりと珍重されてきました。
もちろんまだ養殖技術のなかった時代の事ですので、今話題にしているのは全て天然真珠。天然真珠は皆さんがイメージされる真珠とは違ってたいへんいびつなものがほとんどです。
しかし実際目にするとなんとなく神秘的で昔の人が大切にしたのもわかります。
イギリス女王の冠についている真珠も、正倉院に保管されている物もいびつです。
しかしこの時代、大きくて白く光る珠は大変価値の高い物だったのです。
このように真珠は人類の文明とともに憧れをもって長く親しまれてきました。
右側は世界で一番有名な真珠と呼ばれるホープ真珠。
大きさは縦65mm、重さは23匁(もんめ)つまり85gもあります。
ホープ真珠のお話は次回をお楽しみに。